年表・事典類
写真と証言で伝える世界のヒバクシャ3―旧ソ連・核保有各国による被害者と日本のヒバクシャ
豊﨑博光(著/文|写真)
写真と証言で伝える世界のヒバクシャ3―旧ソ連・核保有各国による被害者と日本のヒバクシャ |
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2022年2月刊行
ISBN:978-4-86369-662-4
A4変判・上製
〔紹介〕
1 写真と証言で知る世界のヒバクシャの実態
世界中のヒバクシャの実態を、核実験場と核保有国ごとに概説し、ヒバクシャの証言を記録した第3弾。旧ソ連、イギリス、フランス、中国などの核実験によるヒバクシャ、原発事故などによるヒバクシャのほか、ウラン採掘と精錬によるヒバクシャについても収録した。世界中にどれだけたくさんのヒバクシャがおり、苦しんできたかの証。
2 旧ソ連の核実験、原発事故等によるヒバクシャ
カザフスタン・セミパラチンスクの核実験にともな被ばく被害は周辺国家までおよぶが、カザフスタンだけでも法律で132万人のヒバクシャとしている。ほかにロシア北極圏のノバヤゼムリャ島の核実験により先住民族ネネツのヒバクシャ、カムチャツカ半島の核実験による先住民族イテリメンのヒバクシャなどの証言も収録した。またチェルノブイリ事故にともなう作業員のヒバクシャ、周辺住民と北欧先住民族サーミのヒバクシャについても掲載した。
3 イギリスの核実験によるヒバクシャ
イギリスはオーストラリア周辺の島、オーストラリアの砂漠、そして中部太平洋で核実験を続け、大きな被害を生み出した。特に核戦争を想定した合同軍事演習に参加したイギリス兵、カナダ兵などが多数被ばくした。さらにオーストラリアでは核実験場周辺の先住民族アボリジニがヒバクシャとなった。
4 フランスの核実験によるヒバクシャ
フランスの核実験は主にアルジェリアのサハラ砂漠と南太平洋のモロルア環礁でおこなわれた。ヒバクシャはフランス兵15万人、ほかにニュージーランド兵、アルジェリア兵、住民、ニジェール住民、そしてポリネシア住民と被ばく被害は数か国に及んでいる。
5 中国の核実験によるヒバクシャ
中国では新疆ウイグル自治区のロプ・ノールで核実験がおこなわれ、これに参加した軍人、労働者が多数被ばくしている。また核実験場周辺の新疆ウイグル自治区、チベット、モンゴルなどの風下住民にも被害者がでている。
6 ウラン採掘と精錬によるヒバクシャ
世界中のウラン採掘と精錬によるヒバクシャについて解説したほか、オーストラリア・アボリジニ、カナダ住民、ナミビア採掘労働者、ナイジェリアなどのヒバクシャの証言と写真を収録した。
7 核廃絶への歩み
日本と世界の反核・非核運動と反原発運動について時系列にわかりやすく解説。
〔目次〕
1 見えないヒバクシャ
―ヒバクシャになる危うさと隣り合わせに生きる私たち―
2 旧ソ連の核兵器開発とヒバクシャ
―見えない核被害の実態―
3 チェルノブイリ原発事故
―終わらない事故の影響と暮らしのはざまで―
4 イギリスの核開発とヒバクシャ
―核被害にさらされる先住民族の人々と太平洋の島々の住民たち―
5 フランスの核兵器開発とヒバクシャ
―アフリカの砂漠と太平洋の環礁で繰り返された核実験―
6 中国の核兵器開発とヒバクシャ
―5番目の核保有国の出現と明らかにされない核被害―
7 日本の核被害―原爆被爆と原発被ばく
―被ばくさせられた人々の声の記録―
8 ウラン採掘と精錬によるヒバクシャ
―核兵器の開発・製造以前に危険にさらされる人々―
〔著者プロフィール〕
豊﨑博光 (トヨサキヒロミツ) (著/文 | 写真)
フォトジャーナリスト(フリー)。1948年横浜生まれ。
1969年から1970年まで、復帰前の沖縄や在日朝鮮人・韓国人などを取材。1972年にアメリカの先住民族インディアンを取材。1978年にアメリカが核実験を行ったマーシャル諸島のビキニ環礁、エニウェトク環礁や水爆実験の“死の灰”を浴びせられたロンゲラップ環礁の人々の取材を始めたことをきっかけに世界の核被害の取材を始める。以後、アメリカや旧ソ連、イギリスの核実験場、アメリカやカナダなどのウラン採掘の現場、スリーマイル島原子力発電所とチェルノブイリ原子力発電所の事故による被害の実態などのほか、世界各地の核被害者を取材。また日本やアメリカ、太平洋、ソ連やヨーロッパでの反核(非核)・反原発運動などを取材する。
拓殖大学商学部で9年間、中央大学法学部で5年間、非常勤講師として被害を中心に世界の核開発史の授業を担当。
主な著書に『核よ驕るなかれ』(講談社、1982年)、『グッドバイ・ロンゲラップ』(築地書館、1986年)など。
『アトミック・エイジ』(築地書館、1995年)で「第1回平和・協同ジャーナリスト基金賞」を受賞。『マーシャル諸島 核の世紀』(日本図書センター、2005年)で「第48回日本ジャーナリスト会議(JCI)賞」を受賞。
豊﨑博光 (トヨサキヒロミツ) (著/文 | 写真)
フォトジャーナリスト(フリー)。1948年横浜生まれ。
1969年から1970年まで、復帰前の沖縄や在日朝鮮人・韓国人などを取材。1972年にアメリカの先住民族インディアンを取材。1978年にアメリカが核実験を行ったマーシャル諸島のビキニ環礁、エニウェトク環礁や水爆実験の“死の灰”を浴びせられたロンゲラップ環礁の人々の取材を始めたことをきっかけに世界の核被害の取材を始める。以後、アメリカや旧ソ連、イギリスの核実験場、アメリカやカナダなどのウラン採掘の現場、スリーマイル島原子力発電所とチェルノブイリ原子力発電所の事故による被害の実態などのほか、世界各地の核被害者を取材。また日本やアメリカ、太平洋、ソ連やヨーロッパでの反核(非核)・反原発運動などを取材する。
拓殖大学商学部で9年間、中央大学法学部で5年間、非常勤講師として被害を中心に世界の核開発史の授業を担当。
主な著書に『核よ驕るなかれ』(講談社、1982年)、『グッドバイ・ロンゲラップ』(築地書館、1986年)など。
『アトミック・エイジ』(築地書館、1995年)で「第1回平和・協同ジャーナリスト基金賞」を受賞。『マーシャル諸島 核の世紀』(日本図書センター、2005年)で「第48回日本ジャーナリスト会議(JCI)賞」を受賞。